日本のスマホシェア4位に―2016年にHuaweiが躍進した理由

2016年12月17日 7時12分36 : 0
日本のスマホシェア4位に―2016年にHuaweiが躍進した理由
alanhgtx
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@alanhgtx

 2016年に、日本市場で最も躍進したメーカーを1社挙げるなら、Huaweiで異論はないだろう。

 同社は2014年にSIMフリー市場への本格参入を果たし、徐々に存在感を高めてきた。2016年にはフラグシップモデルの「HUAWEI P9」や、販路限定でコストパフォーマンスに優れた「Honor 8」、そして大画面モデルの「HUAWEI Mate 9」といったハイエンドモデルを続々と投入。そのいずれもがヒットし、BCN調査では、Appleやソニーモバイルなども含めたスマートフォンメーカー全体の中で4位につけるなど、シェアも急上昇している。

 BCNの調査は家電量販店が中心で、キャリアショップが含まれていないため、数値は割り引いて見る必要はある。ドコモ、au、ソフトバンクの3キャリアだけでも数千店舗にのぼるため、家電量販店だけでは、真の売れ行きを反映しているとはいえない。それでも、Huaweiが販売を伸ばしているのは事実だ。MVNOでの取り扱いも増え、楽天モバイルのように、Huaweiのスマートフォンを戦略的にプッシュする会社も増えてきた。 12月16日に発売されたMate 9に関しては、楽天モバイルだけでなく、DMM mobileやエキサイトモバイルも約1万円の割引を行い、目玉に据えている。

 では、Huawei躍進の背景には何があったのか。ここ1年の動きを中心に、その理由を解説していく。

●ブルーオーシャンへの先行投資が当たり、2016年はハイエンドモデルへシフト

 HuaweiはMVNO市場の拡大をにらみ、2014年からSIMロックフリースマートフォンを日本で販売してきた。“格安スマホ”という言葉ができた一方で、SIMロックフリーのスマートフォンはまだ種類が少なく、この市場はいわゆるブルーオーシャンになっていた。ライバルの少ないSIMフリー市場にいち早く参入し、存在感を高めていったというわけだ。2014年時点での市場規模は小さかったが、MVNOの拡大に伴い、SIMロックフリースマートフォンの販売台数も徐々に増えていく。

 転機となったのは、2016年4月に施行された総務省のガイドラインだ。これによって、実質0円が禁止されキャリアの端末販売に大きくブレーキがかかった一方で、MVNOやSIMロックフリースマートフォンの販売には弾みがついた。複数の業界関係者は、ガイドライン開始前の2月ごろから、MVNOの契約者数やSIMロックフリースマートフォンの販売台数が急増したと口をそろえる。実際、市場調査もその傾向を裏づけており、MM総研の調査によると、2016年上期は、SIMロックフリースマートフォンが79.1%と高い成長率を示している。全体に占めるSIMロックフリースマートフォンの構成比も、5%から9.8%に上昇した。

 早くからSIMロックフリースマートフォン市場に注力してきたHuaweiは、この大波に乗ることができた。規模の拡大に伴い、MVNOのユーザー層も変化。もともとの売れ筋だった3万円未満のミッドレンジモデルだけでなく、5万円を超えるハイエンドモデルにも、光が当たるようになった。この市場動向をいち早く察知したHuaweiは、6月にフラグシップモデルの「HUAWEI P9」を発売した。2015年は「HUAWEI P8」の投入が見送られていたことを考えると、これは大きな変化だ。P9発売の狙いを、同社の日本法人でデバイスプレジデントを務める呉波氏は当時、次のように語っていた。

 「SIMフリー市場はスタートしたばかりで、キャリア市場が大部分を占めていました。日本のハイエンドスマートフォンは購入補助があり、0円で手に入ったり、キャッシュバックまでもらえたりしていた。そこに日本政府がガイドラインを打ち出し、スマートフォン市場の競争環境が激化しました。これがP9とP9 liteを発売した理由です。P9はフラグシップではあるが、価格競争力もあると思っています」

 果たして呉波氏の読みは当たり、P9はSIMロックフリースマートフォンの売れ筋モデルとなった。販売台数こそミッドレンジモデルの「P9 lite」の方が多いものの、5万9800円と高額なモデルながら、SIMロックフリースマートフォンの販売ランキングではトップ10に顔を出すようになった。P9はその後、価格も5万円800円に改定。11月には各1000台の限定色としてレッド、ブルーの2色を加え、販売も引き続き好調だという。一方で、9月には楽天モバイルとオンラインショップに販路を絞ったHonor 8を発売。キャンペーンで3万5800円という低価格を打ち出したことが功を奏し、楽天モバイルの主力商品になっている。

 そして、12月16日には、満を持して「HUAWEI Mate 9」が発売された。Mateシリーズは、「Pシリーズとともに日本で主力として展開する」フラグシップのライン。サムスン電子のGalaxy Noteシリーズ対抗として2013年のCESで発表された「Ascend Mate」がその原点で、他のモデルと比べ画面が大きく、ビジネスユーザー向けという位置付けになる。

 Mate 9はこうした特徴を備えつつ、カメラはP9で好評だったライカとのコラボレーションを一歩進め、モノクロセンサー側の画質を上げ、より高画質な写真が撮れるようになった。6万800円と価格は同社の現行モデルの中で最も高いが、機能性の高さやコストパフォーマンスを考えると、P9に続くヒット商品になるかもしれない。

●カメラ機能ではiPhoneを先行、機能だけでなくデザインも進化

 ブルーオーシャン戦略で日本市場を開拓してきたHuaweiだが、それだけで端末が売れるわけではない。大前提として、端末そのもののクオリティーが上がっていることも、成功の要因といえるだろう。その証拠に、同社はグローバルでミッドレンジ以上の製品開発に注力しており、成果も出始めている。呉氏によると、2015年と2016年の第3四半期で比較した際に、400ドル以上500ドル未満のスマートフォンのシェアは16.5%から19.7%に、500ドル以上600ドル未満では19%から25.1%に上がったという。これは、P9などの製品がグローバルでも評価されていることの証といえるだろう。

 中国メーカーというと他社の後追いが多いと思われがちだが、Huaweiは研究開発への投資も惜しみなく行っている。最近では、P9でコラボレーションしたライカと、9月に共同研究開発センターをドイツに設立。「ワイドアパーチャ」と呼ばれる2つのカメラで背景をボカす機能は、日本で2015年に発売した「honor6 Plus」から搭載しており、その後、他のメーカーにも広がりを見せている。同モデルの発表自体は2014年。「iPhone 7 Plus」が2016年、ようやくツインレンズを採用したことを考えると、リードタイムは2年弱になる。

 以前はチープな印象のあった端末デザインも、ここ数年で大きく変わり、むしろ価格以上の高級感が出るようになった。これも、Huaweiが得意とする研究開発の成果のようだ。2015年に呉氏は、筆者のインタビューに答える形で、次のように述べている。

 「フランスのパリで、デザイン研究センターを設立しました。そこでは、欧州で最先端のデザインをする、優秀なデザイナーたちを雇用しています。また、日本においても、研究所を作っています。こちらの研究所の目的は、優れたデザインを実現する部材を調達することです。デザインが変わったという点では、チーフデザイナーに新しい方を迎え入れたのも、大きな理由ですね」

 部材という点では、傘下のHiSiliconが、「Kirin」と呼ばれるチップセットを開発していることもHuaweiにとってプラスに働いている。スマートフォンの基幹部品であるチップセットを自社に近いところで作り、いち早く端末に投入することで、差別化が図れるというわけだ。実際、Mate 9には最新の「Kirin 960」を搭載しており、パフォーマンスアップを図ると同時に、省電力性能にも磨きがかかってくる。その姿は、ディスプレイやチップセット、カメラセンサーを自社で開発し、市場を席巻してきたかつてのサムスン電子と重なって見える。

●順風満帆なHuaweiだが、シェア拡大には課題も残る

 SIMフリー市場にターゲットを絞り、日本でのシェアを拡大してきたHuaweiだが、もう一段のステップアップを図るには課題も残る。市場が拡大しているとはいえ、規模の上では大手キャリアの販路はまだまだ大きい。ソフトバンクやY!mobileなど、Huaweiのスマートフォンを扱うキャリアも出てきているが、上位3社と肩を並べるには、ドコモやauへの展開も必要になりそうだ。

 この問いに対し、呉氏はUQ mobileで販売の始まった「HUAWEI P9 lite PREMIUM」を挙げ、「キャリア向けの販売でも化学反応が起きている」と語る。SIMロックフリースマートフォンで培ったブランド力を生かし、大手キャリアにもアプローチするというわけだ。UQ mobileはあくまでKDDI傘下のMVNOで、厳密には大手キャリアとはいえないが、P9やHonor 8の存在感が高まれば、Huaweiにとってチャンスが生まれる。実際、かつてY!mobileが「P8 lite」を「LUMIERE」として販売したこともあった。

 ブランド戦略についても課題がある。日本ではPシリーズ、Mateシリーズに加え、Honorシリーズを販売している。ミッドレンジではP9の派生機であるP9 liteに加え、廉価モデルのYシリーズやGRシリーズなども取り扱っており、ブランドが乱立している。グローバルでは、他にも2016年9月に開催されたIFAで、ミッドハイモデルの新シリーズである「nova」を立ち上げたばかりだ。一言で言えば、ブランドが乱立している。

 AppleであればiPhone、SamsungであればGalaxy、ソニーであればXperiaと、スマートフォンは1社1ブランドが基本。スペックの高低や特徴は、ブランド名の後のアルファベットや数値などで表すのが一般的だ。これによってユーザーは一目でどのクラスの端末かが分かり、メーカーにとっても効率よくブランドを周知させていくことが可能になる。翻ってHuaweiのラインアップを見ると、むしろその逆になっていることが分かる。

 関係者の話を聞くと、この原因は、Huaweiの端末企画の方法にありそうだ。先に挙げたように、MateシリーズはGalaxy Note対抗として生まれた。同様にHonorシリーズも、中国で急伸していたXiaomiのシェアを奪う製品として誕生した経緯がある。新ブランドのnovaは、グローバルでシェアを急拡大しているOPPOやVivoをけん制する狙いがあるという。ライバルを意識しすぎるあまり、ブランドの数が肥大化しているというわけだ。販売数を伸ばしている今はこのままでいいのかもしれないが、どこかで方針を転換する必要が出てくるだろう。

 日本市場に関しては、おサイフケータイや防水など、比較的ニーズの高い機能をきちんと取り込めていないのも課題になる。呉氏は、かつてドコモから発売された「Ascend D2」を挙げ、「防水、おサイフケータイ、ワンセグに対応していた」と、技術的な障壁はないことを語っていた。一方で、Huaweiの端末がコストパフォーマンスに優れているのは、グローバルモデルからカスタマイズを最小限に抑えているからでもある。このよさを殺さず、日本向けの独自仕様を満たせるかは未知数だ。2017年のHuaweiには、単純な機能進化だけでなく、ローカライズに一歩踏み込むことにも期待したい。

参考、引用リンク
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20161217-00000018-zdn_m-sci

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